北方領土問題、歯舞群島と色丹島の返還は何が問題なのか。わかりやすくまとめてみた。

政治






日本とロシア間で問題になっている歯舞(はばまい)群島と色丹(しこたん)島。わかりにくい政治の問題を、わかりやすくまとめてみました。

問題になっている島の位置はこちら。

歯舞群島

 

 

色丹島

 

 

 

 

 

簡単に言うとこうゆう話らしい。

 

日本:『昔の話なんだけど、歯舞群島と色丹島、日本に返すって話だったじゃん。(その時は、ゆくゆくは他の島も返して欲しいって言ってたんだけどな、、、。)』

 

 

 

 

 

ロシア:『いやいや、そうだったけど、他の島も返して欲しいとかまた言いだすなら無理だよ。しかも渡すって書いてあるだけで、日本の物になるとは書いてないから、貸すだけなら良いよ。あと、歯舞群島と色丹島で北方領土の話は終わりだからね。』

 

 

 

こりゃ解決しないですね。

 

 

 

そもそも、なんでこんな事になったのか?

元をたどると、そもそもの原因は1946年の第二次世界大戦の時に、ソビエト連邦(ソ連(現在のロシア))の軍隊が、北海道に入ってくる寸前の、歯舞群島と色丹島まで入ってきたところあたりで戦争が終了し、その後のお互いのこの島に対する主張が噛み合わないところから起きています。(その前から北方領土や千島列島、樺太の問題がありますが、そこまで話をふくらませると収集つかなくなるので、それはまた別の記事で、、、。)

 

第二次世界大戦は終わったものの、日本とロシアが北方領土を巡る問題は続いていました。

 

日本の言い分としてはソ連が日本に宣戦布告する前から北方領土を侵略していたと言っており、ロシアは宣戦布告する前から日本はソ連に侵略していて事実上宣戦布告する前から開戦状態になっていたと主張していました。

 

日本とロシアの関係は悪くなる一方でしたが、色々交渉を重ね、ようやくです光が見えて来ます

 

 

 

1956年に、日本とロシアの間で、お互いの経済的に良くないので、交流を復帰させていこうという話が進みました。
これがニュースで言ってる日ソ共同宣言です。

 

その話の中で、ロシアは歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すと書いてある事が、今回の問題です。

 

 

 

なんで引き渡すと書いてあるのに問題なのか。

 

 

 

 

 

 

これ、共同宣言に書いてない、当時のお互いの主張が問題なんです。

 

 

 

 

 

当時の日本としては、ゆくゆくは他の島も返して欲しいという主張でしたがソ連側は歯舞群島と色丹島を引き渡したら北方問題の話は解決と主張しており、このお互いの主張が折り合わず現状もズルズルと引き渡す引き渡さない、そもそも引き渡す事の意味を議論しあっているという状況なんですね。

 

内閣府のページを見ると、日本のとして下記のように歯舞群島、色丹島以外も日本の領土だと言っています。

北海道の北東洋上に連なる歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島及び択捉(えとろふ)島の北方領土は、日本人によって開拓され、日本人が住みつづけた島々です。これら北方四島には、1945年(昭和20年) 8月の第二次世界大戦終了直後、ソ連軍により不法に占拠され、日本人の住めない島々になってしまいました。非常に悲しいことです。
北方四島は、歴史的にみても、一度も外国の領土になったことがない我が国固有の領土であり、また、国際的諸取決めからみても、我が国に帰属すべき領土であることは疑う余地もありません。
北方領土問題とは、先の大戦後、70年以上が経過した今も、なお、ロシアの不法占拠の下に置かれている我が国固有の領土である北方四島の返還を一日も早く実現するという、まさに国家の主権にかかわる重大な課題です。
内閣府は、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島の北方四島早期返還の実現を目指して、外交交渉を支える国民世論の結集と高揚のための広報・啓発の充実、政府と民間が一体となった返還要求運動の全国的な発展・強化を図るとともに、北方四島との交流の推進など、北方領土問題解決のための諸施策を推進していきます。

引用元:内閣府
URL:http://www8.cao.go.jp/hoppo/mondai/01.html

 

ロシア側は国としてどのような資料を出しているかは、私では調べることが出来なかったのですが、色々とニュースを見ていると、1956年の日ソ共同宣言で4島のうち2島を平和条約締結と交換で返還すると約束したにも関わらず、日本から誠実な回答がない。
たとえ返還したとしても、主権がどこにあるかがこれからの課題だ。

という主張のようです。

 

ちょっとここで、歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の歴史をさらっと見てみましょう。

 

歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の歴史

歯舞(はぼまい)群島

1700年代後半に江戸時代に比較的正確な地図が描かれ、日本国内で存在が広く認知されるようになりました。当時の記録によれば、歯舞群島は無人島だったそうです。

1807年頃から色丹島とともに出稼ぎ労働者による昆布の採取が開始されたようですね。
1877年以降に日本から人が移り住み始め昆布や海苔、ホタテ貝の採取を中心とし、漁業も盛んだったようですね。馬を飼育していた記録もあるようです。

1945年の第二次世界大戦終結時の総人口は約4,500名だったそうですが、
この年に太平洋戦争で日本が降伏し、終結に向かっている最中にソ連軍が上陸して占領したようです。

その翌年1946年、GHQによって日本が歯舞群島に関与する事が停止されました。
同じ年の1946年2月20日にソ連政府が歯舞群島を自国の領土に組み込む宣言を行い、実質的にソビエト連邦(現ロシア)の支配下となりました。

 

1956年に、日本とソ連(現ロシア)の間で国交を回復させるためにも、歯舞群島と色丹島を日本に返す事を約束します。(他にも色々な経済的な取り決めがあります)
これが先ほど説明した、日ソ共同宣言です。

 

 

ところがです。

 

 

日本のゆくゆくは北方領土全島を返して欲しいという主張と、ソ連の日本へ渡す島は歯舞群島と色丹島だけという主張の折り合いがつかず、1960年にソ連(現ロシア)が色丹島を日本に返還する事を撤回します。

現在、歯舞群島付近で漁業をするためにロシアにお金を払っているという状態です。
2016年には241隻の漁船が出漁し、ロシア側に9026万8000円の入漁料を支払っています。

色丹(しこたん)島

色丹島も歯舞群島と似たような歴史です。
1870年に日本が自分の領域とし、最初は無人島でしたが1884年にアイヌ民族を移住させて村を作りました。

 

1946年にソ連軍がこの島を占領し、翌年の1946年にGHQによって、この島へ日本が関与する力が停止され、その翌年の1947年にソ連が色丹等も自分の国に組み込む宣言をし、島にいた日本人は全員北海道本土に移り、これ以降日本人はこの島に住んでいません。

 

歯舞群島と同じように1956年に、日本とソ連(現ロシア)の間の日ソ共同宣言で、この島を日本に引き渡す取り決めをしますが、1960年にソ連(現ロシア)がこれを撤回します。

 

1991年にソ連が崩壊し、ロシア連邦となる。

 

1994年に北海道地震により島の住環境が悪化したため、人工が減り、ロシア側もこの災害の復旧が出来ていない状態が続きます。

 

2000年に北海道新聞が色丹島島民100人に行ったアンケート調査では、46%の島民が色丹島を日本に引き渡すことに賛成していたとされています。

 

2010年頃からロシア側が島の復旧に着手しはじめ、2016年では日本への引き渡しに関しては否定的な意見が多いようです。

 

 

 

 

 

2つの島の歴史はこんな感じです。

ここまでは歯舞群島と色丹島が問題になっている背景をかなりの駆け足で説明しました。

 

 

ここからは、現代において、この問題が泥沼化している要因をまとめてみました。

現代においてどんな問題があるのか

日本とロシアだけの問題ではない

ここで日本が妥協すると、周りの国の日本へのイメージが変わると思っています。
日本は、強引に押せば妥協する国であると。

 

もし今回の件で、ロシアにとって非常に有利な結果が出てしまうと、他の国はロシアも得をしたのだから、私たちも同じように利益を得たいと主張する可能性があります。

 

そうなると、日本の外交力は弱いからあれもこれもと、様々な国からわけのわからん事を要求されることになりかねません。

そういった意味でも、この問題は日本として妥協できない問題だと私は見ています。

 

 

 

まず頭に浮かぶのが尖閣諸島の問題

 

 

 

ここは明らかに中国が狙っており、北方領土で妥協するようであれば、今よりも中国のプッシュがきつくなっていく事かと思います。

 

私の所感ですが、ロシアと中国は事実上同盟国のようなものです。
今ロシアに妥協すれば、今アメリカとバチバチやってる(一方的にアメリカが攻め立てているだけな気もしますが、、、)中国が黙っているはずがありません。

 

 

 

 

海洋資源という面から経済水域のために譲れないという背景もあるかと思いますが、北方領土の問題は、国としての交渉力や胆力、意思の強さなどのバロメータとなっているのかなと思います。

 

日本の交渉力がどんどん弱くなっている。

日本の要求が、どんどん小さくなっていってませんかね。

 

 

日ソ共同宣言初期:北方四島の返還

この前まで:北方二島

今ここ:北方二島の主権の話は別の話

 

 

 

もはや、歯舞群島と色丹島の返還すら達成できないのでは??

 

 

 

 

現実問題、もはやロシア国民が住んでおり、生活インフラ整備もロシア側が整えている時点で、今更日本が全島を取り戻すことは現実的ではないでしょう。

 

なので、ちまちまと形だけの二島返還をしてもらうためにヘコヘコせず、そもそもの始まりが北方領土返還であった事に立ちもどり、北方領土全域に介入するような条件を出して、経済的利便性を交渉のまな板にあげるとかした方が良いのではと思います。

 

 

まぁ、それが簡単にできるなら、とっくにやってるでしょうけど、、、、。

 

 

更には、アメリカ軍の基地を作らないなどと言って大丈夫何でしょうか?
今度トランプと会う時にどんな顔をして会うのでしょうか。
そんな事を言えるなら辺野古の基地問題とかどうするの?と思います。

 

 

こんなことをしていたら尖閣諸島の問題も、同じ轍を踏むことになりかねません。
日本人がいくら譲り合いの精神を持っているからと言っても、さすがにやられ過ぎかと思います。

 

まとめ

・歯舞群島、色丹島の返還問題は第二次世界大戦時代から続く、日本とロシアの主張の食い違いから今でも議論が続いている。

・ロシア国民が住んでおり、インフラもロシアが整備している。

・日本としての交渉力がどんどん弱くなって来ている。